SATURDAYS 各店のカフェにて、コーヒーなどのお供に
好評を呼んでいる種類さまざまな焼き菓子。
これを一手に担うのが、オールヴィーガンの
焼き菓子を提供する
『ホームカミング ヴィーガン ベイクドグッズ』の
キャサリン・アーンショーさん。
日本で生まれ育ち、23歳のときに渡ったアメリカで
ヴィーガン=完全菜食主義者になった彼女に話を伺った。
SATURDAYS 各店のカフェにて、コーヒーなどのお供に
好評を呼んでいる種類さまざまな焼き菓子。
これを一手に担うのが、オールヴィーガンの
焼き菓子を提供する
『ホームカミング ヴィーガン ベイクドグッズ』の
キャサリン・アーンショーさん。
日本で生まれ育ち、23歳のときに渡ったアメリカで
ヴィーガン=完全菜食主義者になった彼女に話を伺った。
ブランドの世界観をお菓子に
- 以前はニューヨークで暮らし、服飾デザイナーとして働かれていたそうですね。-
“ はい。私が住んでいた地域にも SATURDAYS の
ショップがあり、当時からシンプルだけど存在感のある
ブランドだと思っていました。シティとネイチャー、
シックでミニマルなのにスポーティでヘルシー、
その絶妙なブレンドを新鮮に感じていました。
日本に帰国して『ホームカミング』をオープンさせたのが
2022年。ご贔屓のお客様がブランドの関係者だったようで、
そのご縁から SATURDAYS のカフェでも取り扱っていただく
ことになりました。
最初はウチの定番商品からスタートして、今は SATURDAYS
限定のコラボレーションラインを主に販売しています。専用の
ラベルやパッケージ、フレーバーも一緒に考えたオリジナル。
モノトーンのイメージが強かったので、SATURDAYS のコー
ヒーやデカフェを使ったり、チョコレートや黒ゴマを混ぜたり、
お菓子の色もブラックを基調にしています。さらに、各シーズ
ンのコレクションからインスピレーションを得た、季節ごとの
お菓子も販売しています。”
日本でのヴィーガンライフ
“ かなり大変なのが本音です。ヴィーガン料理を提供する
飲食店は少ないですし、閉店した店も多い。コロナ禍で
海外からの旅行者がストップした影響も大きいと思いますが、
インバウンドで成り立っていたという現実を寂しく感じます。
アメリカの都市部であれば、専門のレストランでなくても
メニュー表の1ページはヴィーガン料理だったり、
アペタイザー、サラダ、メインなど、
それぞれに1品はヴィーガン対応なくらい浸透しています。
メニューになければ、リクエストするとアレンジもしてくれる。
だからヴィーガンではない家族や友人に強制することなく、
店を限定せず食事に行けるんです。
また全米どこのローカルなスーパーマーケットでも、
ヴィーガン向けの食材が買えます。
しかも1種類じゃなくバリエーションも豊富なので、
好みや気分で選べて何ら困ることはありません。
しかし日本では都心であっても
高級スーパーなどに行かないと手に入らず、
日常的には行けなかったり、
種類も限られているうえに少し値段も張る。
だからハードルは高いですね。”
“ ヴィーガンフードだって美味しいことが
知られていないんです。
きっと物足りないと思われているんじゃないかな。
でも大前提として美味しくないと誰も食べないし、
ストレスを感じては長続きしない。
その気持ちは当然なので、
『ホームカミング』は美味しさが第一。
プラスして実はヴィーガンでもあるっていう。
実際にウチのお客様の7~8割はヴィーガンではありません。た
だ、それが嬉しい。ヴィーガンフードも美味しいと
知っていただき、これを入口に関心をもったり、
一歩ずつ歩み寄ってもらえるキッカケになれば。”
広く根付くために必要なこと
“ 個人の意見ですが、アメリカのように
オプションが広がることですね。
どのレストランでも普通のメニューと
ヴィーガン料理があって、自由に選べるようになってほしい。
それで私が注文した料理が美味しそうなら、
ヴィーガンではない友人も食べてみたくなるかもしれないし、
ひと口あげて美味しかったら興味をもつかもしれない。
そうして無理のないレベルで自然に広がっていくのが理想かな。
“スーパーの食材や調味料も、まずは代用品を1種類、
次の段階としてメーカーやフレーバーの選択肢があると
料理の楽しみも広がりますよね。
そして、みんなが利用する場所で、
誰もが購入しやすい価格で揃うこと。そ
こまでならないと根付くのは難しいかも。
全人類がヴィーガンになるなんて無理でしょうし、
押し付けようとも思っていません。
ただ『ホームカミング』の焼き菓子を通じて
関心をもつ方が1人でも増えたら、
ほんの少しでも考えが変わる一助になれれば。
そのために私は、今までどおり目の前のことに
全力で取り組むだけです。
そしたらいつか、ちょっとずつ変わり始めるのかなって。”